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2024.08.26
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2024.07.17
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昭和の戦前の話で恐縮ですが、その時代木造住宅1棟を建てようとしたとき木材をどう調達したかを考えると、近隣の山で切り出したものを使うというケースが多かったと聞きます。
ここで木挽(こび)きというプロが存在します。これは木というものを熟知した特別の存在で、家の間取りを確認し、山に入り、自然の立ち木を見て柱や梁といった部分にどの木をどう使うのか見極めて切り出して製材したと言います。
確かに大工さんは製材された木材を墨付(すみつ)け(材木に加工するための線を引く作業)し加工して組上げるわけですが、さて用意してもらった材料をどこにどう使うのかは木挽きさんに聞かなければさっぱりわからないわけです。
棟梁も一目も二目も置く存在だったのですね。
山から木を切り出す。今も大変な作業ですが重機もトラックも満足にない時代に山から切り出して製材した木材は大変貴重な物であり、無駄に使うことはできません、どんなに反っていようが歪な材でも木挽きさんが用意してくれた材料を大工さんは使いました。 古民家を見せていただく機会は結構ありましてそのときにひん曲がった松の材を組んで小屋組みしてあるのを見たときにはただただ墨付けした棟梁の苦労が偲ばれて感心しておりました。
近年住宅1棟墨付け加工して棟上げする物件がほとんど無くなり工場加工のプレカット全盛の時代です。 以前某大工棟梁が、若い大工もそういった技術を身に着ける物件が無く、10坪ぐらいの簡単な倉庫の墨付けすらできないと嘆いていたのを思い出します。
40年前には90万人以上居た大工さんも今30万人を切っています、まだ減少中であり今後どうなってゆくのか、齢を重ねればだんだん若い頃のようには体が動かず、でも人手が足りないので無理して頑張って頂いている大工さんが増えてきました。AI搭載ロボットが代わりにやってくれるような時代が来る前に、木造で住宅を建てるのは無理になるのではないのかと不安で一杯です。
どうか若い人が一人でも多くこの道を目指し、この素晴らしい伝統の技術を承継してくれることを乞い願います。
ともあれ皆さんも 神社、仏閣といった古建築のみならず築60年以上たった古民家等、当時の大工さんが手間暇を惜しまず成した仕事を機会あればぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
円健創は古民家ツアーなど勉強会もやっておりますので是非ご参加ください。
山田でした