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2024.08.26
お知らせ
2024.10.01
ブログ
鴨居に取付く襖や障子等の図の部分のことです。
この肩の部分が部屋の内側から見て見えるのかそうでないのかということなんですが、ほとんどの方は意識すらされたことが無いのではないかと思います。
障子の場合はほとんど肩の見えていることが多いと思いますが、最近それについてなぜかとの質問をされ、正直言って当たり前と思っていましたので答えられず、ネットで調べても明快な答えを得ることができませんでしたので、あらためて考えてみることにしました。
建具の表を部屋内に見せるのは分かるのですが(障子は組子が見えるほうが表、紙を貼ってある側が裏です)
確かに肩を反対側に見せたほうがすっきりして良いのではないか?そう言う思いは以前から私にもありました。
これは昔からの決まりだからと言ってしまえばそれまでなのですが、和式の部屋にはこのような決まりが結構あります。
例えば畳の敷き方ですとか、引違いの建具は右側を手前に取り付けるとか竿縁天井の竿縁は床の間がある場合床(とこ)を刺す方向(床の間に対して直角)に取り付けてはいけないなどです。
さて、襖や障子を取り付けるきまりとして肩は部屋内側にして建てつけるものとされております。
続き間のように部屋が繋がっている場合はどうか、これは客間のように格の高い部屋を優先にします。
なぜそうなったのか?
これはあくまで私見ですが、その昔外部と内部を仕切る木製建具を取り付けようとしたとき、引き戸の場合敷居と鴨居を柱に取り付け溝を切って建具が摺動時容易に外れないようにするのは自然の発想でそうなったと思われます。
ここでもし肩を外部面にしたらどうなるでしょうか?
雨が吹き降ったときなど肩の部分に雨水が溜まり建具が腐り易くなりよろしくないですね。そこですっきり水が切れるように肩の部分を部屋内側に持ってくるのがよいことになりそれが肩は部屋内にと一般化されていったのではないのでしょうか。
(でも、押入の場合は客間の場合でも肩は部屋側に見せないのが正式とか・・・私には理解不能です)
ちなみに、建具職人さんはこの鴨居と肩との隙間が広くなるのをやはり美しくないと思っておられるのか、極力隙間を狭く建てつけるようにされます。
その昔現場を管理しておりました折、大工さんに敷居の溝の深さをいくらにするのか聞かれたことがあり、無知であった私は感覚的に普通3mm位かと思いそう答えますと、敷居スベリでも付けるのかと返されて???となったことがあります。これは、つまり溝が深ければ建具が沈みその分肩の空きが大きくなる。普通は襖や障子の場合1.5mmから2mmまでだそうです。
(大工さんとしてはフラッターレールで納めるのか確認したかったのだと思いますがトンチンカンなことを言ってしまいました、薄型フラッターレールを付ける場合は4mmの深さにします。)
山田でした