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約30年ぶりの「遷宮」

皆さん、こんにちは。私の地元の東出雲町「揖夜神社」では、5月に約30年ぶりの「遷宮」が盛大に執り行われました。

午前中は、行列参加14地区の揖屋町内の「餅奉納行列」があり、午後には、本殿脇の撒餅台において盛大な「撒餅行事」、そして、いよいよ夕方より、大神様が、仮殿より修繕された御本殿にお還り頂く「正遷座祭」が厳粛に斎行されました。

ところで、今回の遷宮の一番大きな修繕は、本殿の屋根の葺き替え工事でした。

 

約30年前の遷宮で葺き替えた「栃葺き」の屋根が予定より早くに相当に傷んで、雨漏りの心配が出てきたことが、今回の遷宮を予定より早めた一番の原因だったようです。

 

「栃(栩)葺き」とは?

ところで、この「栃(栩)葺き」とはいったいどんな葺き方かご存じでしょうか?

そもそも神社仏閣の屋根葺きには、厚さの薄い順に、檜皮(ひわだ)葺き・杮(こけら)葺き・木賊(とくさ)葺き・栃(とち)葺きなどがありますが、「檜皮葺き」は読んで字のごとく、桧の樹皮を幾重にも重ねて竹釘で固定して使用しますし、「杮葺き」や「木賊葺き」「栃葺き」は、薄く手作業で剝ぎ取った、サワラ・桧・杉などの樹種が多く使われます。

理由は、これらの樹種が繊維方向に薄く剥がし易く、やわらかくて手作業がし易く、かつ油分が多く含まれていて腐れ(水)に強いからということです。

 

 

杮葺き・木賊葺き・栃葺きは、いずれもサワラ・桧・杉などを30㎝くらいの長さに薄く剥ぎ取った板材で、杮葺きは2~3㎜程度、木賊葺きは4~7㎜程度、栃葺きは10~30㎜程度の厚みに、それぞれ縦の繊維方向に剥ぎ落し(手作業)、それを幾重にも重ね合わせて葺き上げます。いずれも日本にしかない高等技術です。

 

また、「檜皮葺き」が一番格式が高いとされ、出雲大社をはじめ、京都の清水寺、奈良の春日大社、広島の厳島神社、長野の善光寺などがあります。

清水寺(檜皮葺き)

善光寺(檜皮葺き)

不動堂(檜皮葺き)

 

また「杮葺き」では、京都の桂離宮、同じく金閣寺、銀閣寺などがあります。

桂離宮(杮葺き)

 

更に「栃葺き」では、日光東照宮、比叡山延暦寺の根本中堂・回廊(現在、全面解体修理中)などがあります。

こう考えてみますと、この度の揖夜神社遷宮の本殿屋根全面葺き替えが、この格式高い「栃葺き」を継承して甦ったことは、氏子としても大きな誇りであり、意義深い遷宮であったと嬉しく思います。

 

 

「意宇六社」ってご存じでしょうか?

最後に、ご紹介をさせていただきますが、皆さんは「意宇六社」ってご存じでしょうか?

かつて、ここ松江市東部の「意宇(おう)の里」は、古代出雲国の中心地で、この地域にある「熊野大社」「八重垣神社」「神魂神社」「揖夜神社」「真名井神社」「六所神社」は、【意宇六社(おうろくしゃ)】と呼ばれている格式の高い神社となっています。

この意宇六社は、全て出雲国造ゆかりの神社(国引き神話にも登場します)で、すべて出雲大社と同じ神社建築様式の『大社造り』(これは、伊勢神宮の『神明造り』に並ぶ日本最古の神社建築様式です)の神社です。

また、この六社は、昔から「六社参り」として、パワースポットとしても有名な神社だそうですので、どうぞ一度はお参りされてみてはいかがでしょうか。

 

(一社)しまね古民家倶楽部

理事長  安達 盛二

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