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② 戦後の家づくりの産業化と変遷

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長い猛暑の夏も過ぎ、実り・収穫の秋になりました。猛暑続きで、弊社のその後のブログ担当者もなかなか筆が進まなかったようで、ずいぶんと時間が経過しご迷惑をおかけしました。

ということで、また続けて、私がお話をすることとなりました。

お約束通り前回から、弊社で定期開催してきた「古民家ツアー」(勉強会)の講義内容を、参加出来なかった方々のために、順を追ってお話しすることとなって、今回がこのシリーズの二回目となります。

早速始めます。

 

終戦後の住戸不足

我が国は、昭和20年に終戦(敗戦)を迎え、全国の大都市はことごとく空襲に遭い、極めつけは、広島・長崎に原子爆弾が投下され、国中が廃墟と化しました。

昭和25年頃には、全国の住宅不足数が340万戸あったと記されています。

昨年度一年間の全国の新築住宅着工戸数が75万戸程度ですから、如何に莫大な数が不足していたかわかると思います。

 

家づくりの産業化

そこで、国は、とにかく「早く」「大量」の住宅を生産する必要に迫られました。

従来の日本の家づくりは、

①匠の大工にしか造れない

②手間(時間)がかかる

③一気にたくさん造れない

④大工の技量(技術)により出来栄えに大きな差が出る

といった大きな特徴を持っていて、この局面には極めて不向きでありました。

 

 

そこで、国を挙げて「家づくりの産業化」を図り、「早く」「大量生産」する以外に方法がなかったのかもしれません。

その結果、「殖産住宅」「太平住宅」「日本電建」という大手住宅メーカーが誕生しました。

ただし、まだ昭和25年頃のこの3社は、従来の木造住宅の大手メーカーでした。

従って、大手メーカーといえども、まだほとんど従来の現場生産方式でしたが、「木造住宅の大量販売」「割賦販売」が実現して、当初の住宅不足の解消に大いに貢献したようです。

 

 

新しいビジネスモデルの誕生

その後、昭和30年になって初めて「初のプレハブ住宅(工場生産方式)」の『大和ハウス工業』が誕生し、続いて、昭和35年には「積水ハウス」、昭和36年には『ミサワホーム』、昭和38年に『ナショナル住宅』等々・・と各種プレハブメーカーが誕生してきました。

これらのプレハブ住宅(工場生産住宅)が誕生したことにより、住宅業界も、国を挙げての「産業化」が浸透し、時代は「大量宣伝」「大量営業マン」「大量展示場」時代に突入していきました。

因みに、昭和43年に、東京に日本初の超高層ビル『霞が関ビルディング』(147m)が誕生し、この頃より初めて「住宅産業」という言葉が使われるようになったようです。

 

これらの大手プレハブメーカーの誕生により、

①完成前に展示場・カタログにより完成品が体感できる

②規格住宅で、間取り・仕様・コストすべてがわかる

という新しいビジネスモデルが誕生しました。

 

敗戦の時代背景から考えると、住宅の産業化はやむを得ない選択であったとはいえ、古民家に見る良き時代の暮らしや木造文化が大好きな私にとっては、住宅の産業化によって日本の匠の大工技術・木の文化がほとんど姿を消してしまった現在の家づくりの在り様を視ると本当に残念で寂しいです。

 

日本住宅の変遷

そこで、次は、家づくりが産業化したことによる「日本住宅の変遷」について、私なりに考えてみたいと思います。

 

<産業化以前(戦前)の家>

⇨ <産業化以後(戦後)の家>

○大工の個別生産住宅(家業生業)

⇨ メーカーの大量生産住宅(会社員)

○造る住宅(手仕事による財産づくり)

⇨ 売る住宅(工場での商品づくり)

○注文住宅(地域性・気候風土に沿って)

⇨ 規格住宅(全国一律・価格優先)

○自然素材住宅(環境保護・自然循環)

⇨ 人工部材住宅(産業廃棄物・環境破壊)

○リサイクル住宅(世代継承・有機質)

⇨ 消費型住宅(一世代消費・無機質)

○自然共生型住宅(自然を受け入れる)

⇨ 自然断絶型住宅(自然を避ける)

○健康住宅(心身にやさしい)

⇨ アレルギー住宅(心身に過酷)

○長持ち3代住宅(家族定住型)

⇨ 短命1代住宅(個人移住型)

○五感で造る住宅(アナログ的)

⇨ 計算して製造する住宅(デジタル的)

○伝統尊重住宅(歴史・経験の継承)

⇨ 伝統軽視住宅(歴史・経験の否定)

 

いかがでしょうか?

私が考える上記のような家づくりの変遷が納得できる方は、たぶん高齢者の方でしょうし、たぶん左側の戦前の家づくりの在り様がお好きでしょうし、懐かしくさえ思われませんでしょうか?

 

 

日本の住宅が、もう一度左のような戦前の家(地域の大工さんが生業で地域の家づくりに携わっていた頃の家)に戻ってくれて、子供も家族もみんな一緒に住む時代が来れば、日本人の心も文化ももっと優しく価値の高いものになっていくのではないかと思うのは私だけでしょうか?

最後に何か愚痴っぽくなってしまいましたね。

今回はこのくらいにして、また次回をどうぞお楽しみに‼。

 

(一社)しまね古民家倶楽部

理事長 安達盛二

 

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